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一杯のどんぶり

高田馬場の「吉祥寺どんぶり」が、いつの間にか閉店していた。

店内は決して綺麗ではなかったし、特に味が良いわけでもなかったし、接客態度も良くはなかったし、すぐ近くに「伝説のすた丼」もあるし
閉店したからといって個人的には全く困ることはないのだけれど…

あの店に最後に行ったのは、2011年3月11日の夜だ。

繰り返される余震の中、大地を飲み込む黒い津波と、暗闇に燃え上がる街の映像を目にしたあの日。
「壊滅状態」という言葉を生まれて初めてリアルで耳にしたあの日。
深夜、帰宅難民でごった返す街に出て、空腹を満たすために入ったあの店。
ほぼ満席だが皆押し黙ったままで、誰も殆ど何も喋らない。
疲れ切った表情でひとり無言で鍋を振る店員。
相変わらず決して綺麗ではない店内で、特に味が良いわけでもないどんぶり飯をかき込んで、「ごちそうさま」と言ったとき、いつも以上に愛想の悪かった店員が突然こちらを振り向いて

「ありがとうございました!」

笑顔ではなかったが、今までにないくらい大きくて力強い声が返ってきて、なんだか妙に元気が湧いてきたことを覚えている。

閉店前にもう一度行きたかったなぁ、あの店。
もう一度食べたかったなぁ、あのどんぶり

店内は決して綺麗ではないし
特に味が良いわけでもないし
店員の愛想も良くはないのだけどね(笑)

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